会長のごあいさつ
護身用品の販売自主規制とニセ物護身用品の撲滅実践へ
~「日本護身用品協会の発足を良かった」と喜んでいただけるように~
ようこそ、当協会のホームページにおいでくださいました。
ありがとうございます。
私たち日本護身用品協会は、2012年4月1日付で正式にスタートして今年(2024年4月1日)で丸12年が経過致しました。
平成8年に警察庁生活安全局生活安全企画課から『日本護身用品協会』という正式協会名称の承認をいただき直ぐに、協会設立の準備を致しましたが、その当時協会設立に際し粗悪な(ニセ物)護身用品を販売する多くの業者が反対し協会設立を止むなく断念した経緯がありました。更に東日本大震災で1年間ほど遅れましたが、再度『志』を一つにする皆様と協会規定による「販売自主規制」を実施することとなりました。
年々、国内の治安の悪化に伴い私たちの販売する護身用品の需要も増加しており供給者としての社会的責任も大きくなっております。今後も皆様のご理解をいただきながら協会加盟店一同で日本の法律、風土に合致した協会運営に取り組んでまいりたいと考えております。
協会発足に当たって、護身用品の「販売自主規制」と「ニセ物護身用品」の撲滅実践が私たちの使命であることを掲げて平成28年4月1日で4年が経過したことを契機に加盟店契約を更に厳格に改訂して精鋭加盟店だけに再編成致しました。
悪質販売店には反社会的勢力が関与している例も少なくありません。善良な販売店を装い「ニセ物護身用品」を騙し売りする悪質な販売店を当協会は駆逐・撲滅致します。
世界で初めての護身用品を製造・販売する業界の協会設立で日本国内に於けるスタンガンや催涙スプレーなどの護身用品を使用した犯罪発生件数、被害者の減少という社会的な使命も担っております。
警察庁が発表する「スタンガン・スプレー製品」を使用した事件における刑法犯の検挙件数は平成8年当時は毎年100件程でしたが、最新データ(平成24年~令和2年)では刑法犯の検挙件数が大幅に増加しております。
表1 スタンガン・スプレー製品を使用した事件における刑法犯の検挙件数
■下記の検挙件数は警察庁刑事局捜査支援分析管理官付統計係から情報開示して頂きました。
年度 | スタンガン | スプレー *1 | 合計 | 日本護身用品協会 *2 | 日本全体における 協会の比率(%) |
---|---|---|---|---|---|
平成24年 2012年 | 63 | 347 | 410 | 3 | 0.73 |
平成25年 2013年 | 48 | 234 | 282 | 4 | 1.41 |
平成26年 2014年 | 46 | 315 | 361 | 6 | 1.66 |
平成27年 2015年 | 50 | 357 | 407 | 4 | 0.98 |
平成28年 2016年 | 52 | 290 | 342 | 6 | 1.75 |
平成29年 2017年 | 43 | 323 | 366 | 7 | 1.91 |
平成30年 2018年 | 31 | 339 | 370 | 5 | 1.35 |
令和元年 2019年 | 37 | 316 | 353 | 2 | 0.56 |
令和2年 2020年 | 46 | 267 | 313 | 1 | 0.32 |
合計 | 416 | 2,788 | 3,204 | 38 | 平均1.186(%) |
※1:スプレー区分の定義
スプレーには、催涙スプレーのほかエアゾールスプレー製品全般が含まれます。
※2:日本護身用品協会区分の件数
日本護身用品協会加盟の全ての店舗から、下記の販売自主規制による手続きを経て販売され、全国の警察署から刑事訴訟法第197条第2項に基づき「捜査関係事項照会書」によって照会を受けて、事件に使用されたことが確認できた件数です。
このように、近年発生した護身用品悪用検挙数において、日本護身用品協会加盟店が販売した護身用品に起因する事件の刑法犯検挙数は、全体のごく一部であり、非常に少ないことがわかります。
当協会(日本護身用品協会)は平成24年4月に発足し、以降10年以上に渡り販売自主規制を通じた護身用品の悪用撲滅に取り組んできました。
協会主導による販売自主規制(身分証明書の確認や誓約事項への同意)は、護身用品の悪用撲滅という大きな目的を達成するための、護身用品業界に残された唯一の手段でした。
販売自主規制は、護身用品販売に関する法律も条例もない状況の中で、護身用品の悪用撲滅という志のため、完全なる民間主導によってスタートした制度です。
護身用品の悪用を撲滅したいという高い志に賛同した、有志の護身用品販売店によって、まさに身を切る思いで始まった販売自主規制ですが、開始当初は果たして一般ユーザーに受け入れられるのか危惧されました。
しかし、販売自主規制による販売の落ち込みやユーザー離れの危惧は取り越し苦労に終わりました。実際に販売自主規制を実施しても、護身用品の販売量に落ち込みはみられず、日本社会の高いモラル意識によって、当然のことのように受け入れられました。
そして、結果として日本護身用品協会加盟店が販売した護身用品の悪用事例は大幅に減り、ほぼ撲滅したと言っても良いほどの件数まで激減しました。
この客観的データは、我々日本護身用品協会が民間主導として行った販売自主規制が、護身用品の悪用防止対策における唯一効果的な手段であり、これからの日本社会に必須の制度であることを証明しています。
平成24年~令和2年の過去9年間で護身用品が悪用された刑法犯の検挙数において、約98.8%が日本護身用品協会に加盟していない「非加盟販売店」によって販売された護身用品に起因するものです。
日本護身用品協会による、販売自主規制が護身用品の悪用撲滅に対する答であることは証明されました。
今後もこれらの使命を果たすため、協会本部及び今後設置されます都道府県支部に設置された運営委員会において都道府県警察本部と、緊密に連携して、犯罪予防に取り組むとともに、社会全体の防犯気運向上に資する広報啓発活動を推進し、安全で安心なまちづくりに貢献することを実践してまいりたいと考えております。
すべての皆様から「協会の発足は本当に良かった」と喜んでいただけるよう、日本護身用品協会の総力を結集して進めてまいります。
今後とも皆様からのご指導とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
会長 寺田 將ニ