当協会は防護盾型スタンガンを推奨します

Pocket

2016年3月28日に、福岡県の不動産事務所に斧のようなものを持った男が押し入り、店員を次々と切りつける殺人未遂事件が発生しました。今回の事件を受け、日本全国の不動産業者から当協会に対し、事務所窓口で暴漢に対処できる護身用品はどのようなものが良いのかという問い合わせが多数ありました。日本全国の窓口業務防犯に対する不安感の高まりを受け、当協会として窓口業務の保安と安全確保のために推奨する護身用品を、緊急でご案内します。

当協会では、一般民間人が窓口業務などで防犯対策を行う際には、高い防御性と撃退性を兼ね備えた防護盾型スタンガンを推奨しています。

本トピックスでは、その推奨理由を説明します。

防護盾型スタンガンとは

防護盾型スタンガンは、防護盾にスタンガン機能を付加した防犯用品です。防護盾の表面にスタンガンの放電パネルが付いており、必要に応じてスタンガン機能を使用して電気スパークで相手を威嚇したり、実際に相手を感電させて撃退することができます。

防護盾型スタンガンは、防護盾として刃物などの凶器や投擲から使用者の体を物理的に守りながら、スタンガン機能を活用して相手を撃退できる優れた防犯用品です。

一般的な防護盾の概要と欠点

一般的な防護盾は、相手からの物理的な攻撃を盾で受け止めることによって、使用者の身体を怪我から守ります。素材はポリカーボネートやアルミプレートなど製品によって異なりますが、その目的は相手の刃物による攻撃をはじめ打撃や投擲(とうてき)に耐えるという点で共通しています。

防護盾は使用者の体を怪我から守ることはできますが、あくまで防御用途であり、防護盾で相手を撃退できるものではありません。機動隊による暴動鎮圧のように、訓練を受けた複数の者が大型の防護盾を持って並べば防護壁を形成することは可能です。しかし、単独の一般民間人がひとつの防護盾を持って相手と対峙した場合、相手からの第一撃から身を守ることはできても、相手を撃退することはできません。場合によっては相手から防護盾を奪われてしまう危険性もあるため、防護盾の民間人による単独使用は現実的ではありません。

当協会では、撃退性の低さや奪い取られのリスクから、一般民間人における防護盾の単独使用は推奨していません。

防護盾型スタンガンの推奨理由

防護盾型スタンガンは、機能的に盾部とスタンガン部で構成されており、高度な防御性能と撃退性能を両立させた防護盾です。

盾部は非常に強度が高い樹脂であるポリカーボネートを使用し、刃物など銃弾を除くあらゆる凶器による攻撃を防ぎ、破損することなく衝撃を緩和します。採用されている透明ポリカーボネートは、強度と同時に高い透明度を併せもつため、盾を前面に構えても前方の視界を妨げません。使用者は盾を正面に構え、自身の体を完璧に防護しながら相手の動きを目視で確認でき、適切に対処できます。

スタンガン部は、盾を持つときに使用するグリップ部分がスタンガンユニットとなっており、盾を持ちながらにしてスタンガンの操作が可能です。スタンガンの放電部分はパネル状電極となっており、盾の表面に周囲を取り囲む形でレイアウトされています。盾を相手に向けた状態でスパーク操作を行うと、盾の表面全体でスパークが発生し、光と音で効果的に相手を威嚇可能です。さらに、必要に応じて盾を相手に押しつけてスパークを行い、相手を感電させ動きを封じることができます。また、相手が盾を奪い取ろうとして盾を掴んだ場合においても、スパークを行うことで相手を感電させることができ、盾を奪い取られることがありません。

防護盾型スタンガンは攻撃者による銃弾を除くあらゆる物理的攻撃から使用者を守り、なおかつ一般的な防護盾では不可能な「威嚇」「撃退」「奪い取られ防止」を実現した、優れた機能性を持つ防護盾です。

当協会では、防御性という基本性能の高さに加え、スタンガン機能によって威嚇、撃退を可能にした防護盾型スタンガンを推奨しています。

活用例

当協会では、次のような防犯用途において防護盾型スタンガンの活用を推奨します。

  • 店舗 - 営業中における強盗、不審者、暴漢対策
  • 事務所 - 業務中における強盗、不審者、暴漢対策
  • 応対窓口 - あらゆる窓口における強盗、不審者、暴漢対策
  • 自宅 - 空き巣、強盗、暴漢対策
  • 学校、幼稚園、保育園 - 侵入者の排除

最後に

防犯において、相手の直接的第一撃から身を守ることはとても大切です。第一撃で致命傷を負わず、確実に身を守るためには防護盾は有効な手段です。

しかし防御一辺倒の防護盾では相手の攻撃を防ぐことができても、相手を撃退できないため安全の確保には限界があります。特に組織だった訓練を受けていない一般民間人が単独で使用する場合、防護盾のみでは護身の役に立ちません。このことから、当協会では一般民間人による防護盾の単独使用は危険であると考え、ここに警告します。

当協会では、一般民間人が防護盾を必要とするあらゆる状況において、防護盾の防護性能に加えてスタンガンによる撃退性能を併せ持つ防護盾型スタンガンの使用を推奨します。