熊よけ(ベアー)スプレーの実態及び危険性の勧告


熊よけ(ベアー)スプレーの対人使用及び対象動物の問題に関する警告

催涙スプレーの一種である熊よけ(ベアー)スプレー(熊用催涙スプレー)は、人に対して使用すると安全性の面で大変危険です。熊や動物対策として運用する場合においても、使用する熊よけ(ベアー)スプレーの性能を正確に把握し、使用可能な熊の種類(日本国内ではヒグマとツキノワグマの二種類)を十分に理解しておかなければ安全を確保できません。

現在、日本国内では熊よけ(ベアー)スプレーが対人用の護身用品として流通してるばかりではなく、対象となる動物の種類についても曖昧であり、使用するユーザー及び自然環境にとって大きなリスクとなっています。日本護身用品協会として、これら熊よけ(ベアー)スプレーの正確な実情を解説し、対人使用における危険性と適応動物の問題について警告します。

■北米(カナダ・アメリカ)ではベアスプレーは熊専用、ペッパースプレーは対人専用として広く定着しています。このベアスプレーとペッパースプレーとの商品名称の区別をすることにより法律に基づき販売コントロールを実施しています。

催涙スプレーとは

催涙スプレーとは刺激成分を含んだ催涙液を噴射するスプレーです。自己防衛を目的に使用し、人や中・小型動物に対して使用する対人用催涙スプレーと、大型の熊などに使用する熊よけ(ベアー)スプレーがあります。

人は日常的にスプレー製品に慣れ親しんでいるため、催涙スプレーにおいても同様に誰でも違和感なく使用できます。

さらに対象から離れて使用でき、命中すると効果が確実であり、効果の持続時間も長く、非殺傷武器として安全な事から世界中で多くの人が護身用に使用しています。

催涙スプレーの分類と特徴

<対人用催涙スプレー>
個人用途から業務用としての店舗・設備防衛まで幅広く運用
中・小型動物対策にも使用(ツキノワグマ・野犬・猪・猿等)
<熊よけ(ベアー)スプレー>
大型動物対策(エゾヒグマ・グリズリー種・ホッキョクグマ等)
日本国内では北海道以北のエゾヒグマが対象

催涙スプレーの効果

催涙スプレーが噴射する催涙液には刺激成分が含まれており、粘膜部及び皮膚に強い影響を与え ます。

皮膚や粘膜部に付着した催涙液は組織内部に浸透して末梢神経を刺激し、焼けるような感覚 と激痛となって作用します。最も強く作用するのは粘膜で、目・鼻・喉に付着すると猛烈な激痛に見舞われ、皮膚の薄い部位である顔や首においても強力に作用します。

これらの症状は催涙液が組 織内部に浸透する事によって引き起こされるため、催涙液付着後は表面上の付着液を除去しても症 状に大きな改善は見られませんが、時間経過とともに緩和され数時間で回復します。その間、冷水 などで患部を冷やすと苦痛が和らぎます。

対人用の場合最も期待できるのは目への効果であり、激 痛によって目が開けられなくなるため自由に行動できなくなります。動物は基本的に嗅覚が発達し ているため鼻への影響も顕著であり、苦痛から逃れるために退散します。

対人用催涙スプレー使用時の症状

<目>
何かが刺さったような激痛・目が開けられない・大量の涙
<鼻>
鼻の内部全体に激痛・鼻が詰まる・大量の鼻水
<喉>
喉内部全体に激痛・咳・クシャミ
<顔面の皮膚>
顔面全体が生皮を剥がれたような猛烈な激痛
<その他の皮膚>
焼けるような感覚と痛み

催涙スプレーの成分

催涙スプレーの催涙成分は数種類ありますが、効果の高さと安全性から現在ではほとんどの製品がOCとなっており、現在ではOC以外の催涙スプレーはほぼ皆無に等しいとされています。

主な催涙成分と解説

【OC】オー・シー
OleoresinCapsicum(オレオレシン・カプシウム)の略。唐辛子などから抽出する辛味成分。効果が強く即効性があり動物全般に使用可能。自然由来の植物性成分であり微生物分解性なので環境への影響がない。
【CN】シー・エヌ
Chloroacetophenone(クロロアセトフェノン)をUScodeで表すとCNとなる。第一次世界大戦後に暴 動鎮圧用に用いられていた。効果がOCに劣るばかりでなく、化学成分由来のため安全性も疑問視され現在ではほとんど使用されていない。
【CS】シー・エス
Chlorobenzylidenemalononitrile(クロロベンジリデンマロノニトリル)をUScodeで表すとCSとなる。CSガスの成分の中にはシアン化合物(青酸カリ)が含まれ毒劇物に分類されるため危険であり、民間市場では一切流通していない。

日本護身用品協会は最も効果が高く確実かつ安全性が高いOCを推奨しています。

CNは効果と毒性に疑問が残りますので使用しないようにして下さい。CSガスは毒劇物取締法により一般・民間市場には一切流通していません。

以降は催涙スプレー市場のほとんどを占めるOCについて説明を続けます。

成分強度

OCは唐辛子などから抽出された辛味成分です。OCを使用した催涙スプレーの効果の強さは、この辛味成分の強度によって決まります。

辛味成分は辛味の強さを絶対的な数値で表す事ができるため、それぞれの辛さを科学的かつ客観的に評価できます。辛味の強さを表す単位をSHU値といいます。

SHU値

唐辛子属の植物の果実にはカプサイシンが含まれており、そのカプサイシンが神経抹消を刺激して辛さや痛みを感じさせます。

SHUはスコヴィル・ヒート・ユニット(ScovilleHeatUnits)の単位であり、唐辛子の辛さの度合いを数値化したものです。

SHU値は対象の辛味原料を砂糖水で何倍に薄めたら辛さを感じなくなるのかという倍数で表します。ピーマンが0(ゼロ)SHUであり、1000倍に薄めて辛さを感じなくなれば、その原料の辛さは1000SHUとなります。身近な例では調味料のタバスコが2000SHUなので、2000倍に希釈すると辛さを感じなくなります。これらの事からSHU値は数値が大きなほど辛い原料となります。

催涙液のOCは、唐辛子などから抽出された辛味成分を催涙効果に利用しているため、SHU値が催涙成分の強さの判断基準として利用できます。

【注意】SHU値の表示桁数

催涙スプレーは軍事用の基準に沿って測定が行われます。測定結果の数値は軍事用として数値を簡略化するため食品用検査結果の10分の1で表します。食品用としての検査結果が200万SHUだった場合、軍事用の表現では20万SHUとなります。

SHU値の測定方法

辛さの感じ方には個人差や主観があるため、被験者での測定には大きな誤差が予想されます。従って、現在は高速液体クロマトグラフィーによりカプサイシンの量を直接量るジレット法によって測定しています。

催涙スプレーのOC強度測定は世界で唯一、AOACインターナショナル(アメリカの公認分析化学者協会:AOACI)による分析結果が認知されています。

検査対象の催涙液と表示問題

催涙スプレーは原料となる高濃度の原液を溶剤で薄めた催涙溶液を噴射するため、測 定対象は溶剤で薄めた後の実際に噴射する溶液となります。催涙スプレーの性能表記 に原液のSHU 値を表示して販売を行う業者が見受けられますが、これは実際に使用する催涙液のSHUとはかけ離れたものであり、消費者に誤解を与えるため問題となっています。

催涙液の液体性質

OC催涙液は、原液を溶剤で薄めて使用します。催涙スプレーのボンベに封入されている催涙液は、溶剤で薄められた溶液です。水を主原料とした溶剤を使用したものが水性溶液であり、油を主原料とした溶剤を使用したものが油性溶液です。

催涙液の液体性質と特徴
名称 溶剤 除去性 症状緩和性 危険性 用途
水性 水が主原料 洗い流す事が容易 水で薄められる 安全性が高い 対人、小・中型動物
油性 油が主原料 洗い流す事が困難 長時間付着部位に留まり強く作用 危険性が高い 大型動物、猛獣用
※人への使用は厳禁

水性は洗い流しやすく水で薄められるため対人用に使用されます。逆に油性は効果が早く洗い流しにくいた め付着部位に長時間留まり強力に作用します。

油性タイプは大型の熊や猛獣などどう猛性の高い動物に適しています。対人用の水性と大型動物用の油性では基本的な使用目的が異なり、製造方法も異なります。

催涙スプレーの用途別分類

催涙スプレーは使用する催涙液のSHU値と液体性質によって以下の通り分類されます。

催涙液の液体性質と特徴
通称 SHU値 性質 使用対象 使用禁止対象
ペッパースプレー 20万以下 水性 人、ヒグマ以外の小・中型の熊、野犬、猪、猿などの動物 ヒグマや大型の猛獣など
熊よけ(ベアー)スプレー 20万を超える 油性 エゾヒグマ(北海道以北)、グリズリー 種(大型熊)、ホッキョクグマ等 人や中・小型動物

催涙スプレーはその性質を十分に理解し、使用対象によって使い分ける必要があります。

適応対象とは異なる使用を行った場合、重大な事故に繋がる恐れがあります。

大型動物用(熊よけ(ベアー)スプレー)を対人用として使用した場合の危険性と問題点

大型動物用(熊よけ(ベアー)スプレー)は大型で凶暴な熊や猛獣の撃退のために専用に製造されています。対人用の催涙スプレーとは全く違う製品であり、人体に対する安全性は考慮されていません。これを人に使用した場合や風の影響などで使用者に付着した場合は、催涙成分が強過ぎるため付着部位の皮膚が糜爛状に爛れたり水膨れなどの症状を引き起こす可能性があるばかりでなく、目に入ると視力低下や失明など取り返しの付かない大きな事故に発展する恐れがあり大変危険です。

催涙スプレーは基本的に人に対して使用する場合には顔めがけて噴射しますので、ほぼ確実に目に入ります。これらの熊よけ(ベアー)スプレーは油性なので皮膚や目に付着した催涙液は洗い流すのが困難であり、その事がさらに自体を悪化させます。

熊よけ(ベアー)スプレーはそのほとんどがアメリカやカナダなどの海外製であり、エゾヒグマを凌ぐ海外のどう猛な大型種(グリズリー種であるアラスカグマ・ハイイログマ及びホッキョクグマ等)を撃退するために専用に製造されています。そのためにSHU値は非常に高く、成分も油性となっており人間には絶対に使用してはいけません。

熊よけ(ベアー)スプレーは催涙スプレーの一種ですが、対人用の護身用品ではなく凶暴な大型動物用の護身用品なので購入、使用する際には特別に注意が必要です。

対象動物の分類と適応の問題

大型動物用として、対人用としては使用できないほど強力な催涙スプレーがあるのは、その対象となる動物の個体差が大きなためです。

熊は大きく分類すると日本の本州以南に生息する中・小型のツキノワグマ、そして北海道以北に生息するエゾヒグマに分けられます。

ツキノワグマは体格的に人間とほぼ同等であり体長は大きな個体でも1.7m、体重は150kgほどです。これに対しグリズリー種であるエゾヒグマは体長が2~2.5m、体重が150~300kgに達します。さらに北アメリカに生息するグリズリー種(アラスカの主に沿岸部に生息するアラスカグマ、アラスカから合衆国西部にかけての内陸部及びカナダ北西州のツンドラ地帯に生息するハイイログマ)や北極圏に生息するホッキョクグマは体長2~3m、体重500kgに達するものもあり、牛や馬を一撃で殺傷する力があるため、前述のツキノワグマとは体格もどう猛性も危険性も全く異なります。

諸説ありますが、ツキノワグマ対ヒグマの対人間への危険度は1対5から1対10程度の大きな格差があると云われています。

日本国内においては唯一、北海道に生息するエゾヒグマがこの危険な大型熊に該当し、それ以外の種及び動物(ツキノワグマ、野犬、猪、猿等)は中・小型動物に分類されます。

北アメリカなど海外では大型のグリズリー種が多いため、それらの脅威に対処するため熊よけ(ベアー)スプレーは特別に高いSHU値と油性成分で構成されており、対人用とは全く別の目的で専用に製造されています。

仮に対人用を北海道に生息するエゾヒグマや海外のグリズリー種(大型熊)に使用しても撃退できる可能性は低く、かえって熊を興奮させ状況を悪化させる可能性があります。逆に熊よけ(ベアー)スプレーを中・小型動物(ツキノワグマ、野犬、猪、猿等)に使用した場合は成分性質が強すぎるため過剰な苦痛を与える事になり、動物虐待となるばかりでなく、生態系の破壊や人に対して過剰な攻撃性を持つようになるなど生態系のバランスを狂わせる恐れがあります。

熊よけ(ベアー)スプレーの対象外動物への使用は、自然環境保護や動物愛護の観点からも許されない禁止行為です。

カナダにおける熊よけ(ベアー)スプレーの扱い

大型熊であるグリズリー種が数多く生息する北米カナダでは、熊よけ(ベアー)スプレーについて厳しい制限が設けられています。カナダ国家としての熊よけ(ベアー)スプレーに対する対応は、熊よけ(ベアー)スプレーの凄まじい威力による危険性と慎重な取扱いの必要性を証明しています。

カナダにおける熊よけ(ベアー)スプレーの使用法、購入法及び概念を以下の通り原文と合わせ紹介します。

合法の熊よけ(ベアー)スプレー使用法

カナダ害虫猛獣駆除除去法にて熊よけ(ベアー)スプレーは「攻撃、もしくは危害をくわえて来るであろう熊」を対象に合法として使用が認められている。対人に使用する事は固く禁じられている。カナダ国刑法にて非合法にて販売される事、宣伝、広告そして携帯することは刑事法にて処罰の対象となる。更に故意にて対人に使用した場合、刑事罰に課せられる。スプレー缶はガスを使用しており、極度の高温度に置かれた場合、破裂の可能性がある。熊スプレーは火気を避け華氏122度以下での保存が義務づけられている。

(カナダ製造者責任法ラベル記載文)

補足説明:華氏122度(°F)は摂氏50度(°C)です。

●Legal Use of Bear Spray

Bear spray is legal in Canada for use only against attacking bears and is regulated by Health Canada and the Pest Control Products Act. Spraying people with bear spray is strictly prohibited. Under the Canadian Criminal Code it is illegal to sell, advertise or carry any product designed for personal protection against human attack. Using these products for other than their intended purpose may result in criminal prosecution. Spray canisters contain compressed gas and may explode if heated. Avoid using bear spray near open flames or sparks and store away from temperatures over 122 degrees Fahrenheit.

(原文)

熊よけ(ベアー)スプレー購入法

カナダ害虫猛獣駆除除去法にて熊よけ(ベアー)スプレーは管轄行政から認可を受けた店舗もしくはメーカーから購入が許され、全ての取引は通知する事が義務づけられている。購入書は名前、住所、購入の数量、購入場所を明記した購入契約書を結び売買許可が成立する。契約書は使用に於ける義務と責任があり、使用上の注意を厳守しなければならない。また、熊に使用した場合、何らかの原因で使用したにも関わらず熊から危害が及んだ場合、製造メーカーには責任が無い事に合意することが使用上の条件である。購入者は18歳以上で契約書を読み署名する責任能力が有る者が対象とされる。

●Purchasing Bear Spray

Under the Pest Controls Products Act, bear spray may only be sold in Canada by authorized vendors who maintain proper sales records.

Information gathered during sale must include a purchaser’s name and address, the amount purchased, and a signed Notice to Purchaser Agreement.

The Agreement outlines the legal uses of bear spray and contains a liability warning. Purchasers will in effect sign a waiver assuming all risk during bear encounters. It is illegal to sell bear spray to anyone under the age of 18 or to anyone unwilling to sign the Notice to Purchaser Agreement.

(原文)

ペッパースプレーに関しては、武器関連物として連邦政府の管轄に置ける法律にて取扱われています

In Canada the law is controlled at the Federal level.

(原文)

カナダの場合、ラベルにペッパースプレーまたはメースなどの単語を用いた場合、もしくは対人にて製造された場合も武器として取扱われます。従いまして、警察や軍隊などだけが合法にて持つ事が出来る法律となっています。小さなサイズのモノ、犬やまたは熊に使用するスプレーは「害獣コントロール物」として取扱われ、基本的に誰でもが持つ事が可能です。しかしながら、対人にて使用した場合、人体に危害を与えるだけでなくときには死に追いやる事故に繋がる事もあります。意図的に対人にて使用した場合、50万ドルの罰金、そして3年の禁固刑が適応されます。

In Canada all products with a label containing the words pepper spray, mace, etc., or otherwise originally produced for use on humans are classified as a prohibited weapon. Only law enforcement officers may legally carry or possess pepper spray. Any similar canister with the labels reading “dog spray” and/or “bear spray” is regulated under the Pest Control Products Act – while legal to be carried by anyone, it is against the law if its use causes ‘a risk of imminent death or serious bodily harm to another person’ or harming the environment and carries a penalty up to a fine of $500,000 and jail time of maximum 3 years.

(原文)

海外専門家による見解

他多くの州にて若干の規定違いはあるものの、18歳未満の使用が禁止されているのは一貫しています。猛獣用と対人用の催涙スプレーの違いは、猛獣用はオイル性であり、付着すると洗い流すのが容易ではありません。したがって効果が長く続くという事です。そして、対人用は水性ですので、水で洗い流せることが基本となっています。つまり、洗い流すことが容易でない効果を目的として製造された猛獣用のオイル性スプレーを対人に使用すると、失明だけに留まらず皮膚や呼吸器官などに取り返しのつかない被害を与えることになります。

国内に流通している熊よけ(ベアー)スプレー


Bear Pepper

Bear
Pepper

MACE

Guard Alaska

Guard
Alaska

Counter Assault

Counter
Assault

CA230・CA290

Pepper Power

Pepper
Power

UDPA


メース・
ベアーペッパー
ガード
アラスカ
カウンター
アソールト
Bear Spray
S
H
U
319,000
注1
194,000
注1
322,000
注1
312,000
注1

油性 油性 油性 油性

エゾヒグマ
ハイイログマ
アラスカアカグマ
北極グマ
エゾヒグマ
ハイイログマ
アラスカアカグマ
エゾヒグマ
ハイイログマ
アラスカアカグマ
北極グマ
エゾヒグマ
ハイイログマ
アラスカアカグマ
北極グマ

注1) 軍事用SHU換算のためSHU値は食品用表記の1/10表示となっています

(SHU値はAOACIによる公式な分析結果です)


BearPepper SHU分析レポート

AOAC インターナショナル(アメリカの公認分析化学者協会:AOACI)

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GuardAlaska/CounterAssault/BearSpray SHU分析レポート

AOAC インターナショナル(アメリカの公認分析化学者協会:AOACI)

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国内での熊よけ(ベアー)スプレーの現状と自主規制

現在国内において、対人用催涙スプレーや熊よけ(ベアー)スプレーの性能・威力・用途に関する法的な制限や基準・罰則はありません。

熊よけ(ベアー)スプレーは特に人体に対して危険があるため、先述の通りカナダなどではその危険性が社会的に十分に理解され、使用制限や違反時の罰則など細かく規定されています。しかし、日本国内では熊よけ(ベアー)スプレーの用途や用法・危険性に対して社会的な認知が低く、特別な規則や罰則が存在しないのが現状です。そのため人体に有害な熊よけ(ベアー)スプレーが実際には対人用として販売されていたり、それらを誤って学校や施設などに導入する事例が発生しています。

熊よけ(ベアー)スプレーは不特定多数の前で使用すると大惨事を招きかねません。そもそもカナダの法律で明らかなように、熊よけ(ベアー)スプレーは人体にとっては劇物に等しい有害なスプレーであり、大型の熊や猛獣以外には絶対に使用できません。

熊よけ(ベアー)スプレーを対人用護身用品として販売する事は不特定多数を危険にさらす大きな社会問題と言えます。今後日本国内では熊よけ(ベアー)スプレーの誤用に対し、何らかの形で基準となるルールの策定と指導監督が必要です。

日本護身用品協会対人用催涙スプレー基準

催涙スプレーは人体に付着し、吸収され、作用するので安全性に関する考慮は必要不可欠です。そのため対人用護身用品として使用可能な催涙スプレーは確かな裏付けのもとで成分組成が明確に証明されている事が最低条件となります。

これらを踏まえ、日本護身用品協会では人体に致命的な影響や重度の後遺症を残さないための安全性を必須条件とし、様々な専門家の意見を考慮の上、対人用催涙スプレーの国内基準を以下の通り定めます。

【対人用催涙スプレー安全基準】

  • 催涙剤の主成分がOCである事
  • 催涙剤のSHU値がおよそ20万SHU(食品用表記200万SHU)以下である事
  • 催涙溶液の性質が水性である事
  • 上記の基準に反する熊よけ(ベアー)スプレー等は対人用での使用を禁じます。
  • 万が一、基準を満たさない熊よけ(ベアー)スプレー等を対人用として故意に販売もしくは導入・設置を行った場合は悪意によるものとみなされる恐れがあります。
  • 日本護身用品協会では基準に反する熊よけ(ベアー)スプレー又は同等品を対人用として販売する業者に対し、社会安全の観点から警告・是正勧告の措置を行います。
  • 日本護身用品協会では今後も熊よけ(ベアー)スプレー等危険性の高い催涙スプレーについて社会的理解を広げるための啓蒙活動を推進します。

モラルが低く専門知識に乏しい販売業者にご注意下さい

熊よけ(ベアー)スプレーを対人用護身用品として使用する事は大変危険です。人体に取り返しのつかない後遺症や怪我を負わせる危険があります。

しかし、日本国内ではそれらを考慮しない無知で未熟な販売店やモラルのない業者が、技術的なデータや使用リスクなどを一切考慮せず、又は知っていてもそれを隠し、ただ売れれば良いという姿勢で販売しています。これらの業者は使用リスクや危険性、具体的な数値などは一切公開せず(又は無知なため公開できず)、独断と主観によって都合の良い宣伝文句とともに販売を継続しており、その説明を鵜呑みにした個人を始め学校や企業などが実際に導入している例も少なくありません。もし万が一、有事の際にこれらの熊よけ(ベアー)スプレーを使用してしまうと撃退相手だけでなく、その場に居合わせる不特定多数に大きな取り返しのつなかい被害を与える恐れがあり、日本護身用品協会として大変危惧しています。

日本護身用品協会では日本国内の護身用品販売店のモラルや専門知識等の審査・指導・認証を進めていますが、まだ多くの業者が加盟しておらず、誤用による事故を招き兼ねない危険な熊よけ(ベアー)スプレーを自由に販売しています。これらの業者は言い換えると「専門知識も責任感も皆無の素人が、専門家を装い責任もとれないような護身用品を自由に販売している」と言っても過言ではありません。こういったモラルのない販売方法が蔓延している中、万が一の際に大きな危険が降りかかり、実際に被害者となるのは罪のない学校の子供達や従業員の皆様です。催涙スプレーを導入の際には販売業者が日本護身用品協会加盟業者なのかを十分に確認するよう徹底して下さい。

「熊よけ(ベアー)スプレー」の誤運用に関する日本護身用品協会の今後の活動方針

日本護身用品協会は護身用品の正しい普及と安全な社会の実現のために活動しています。日本護身用品協会は世界初となる護身用品業界の自主的な活動団体です。

今回は「熊よけ(ベアー)スプレー」の対人用販売という業界における大きな社会問題を踏まえ、催涙スプレーの正しい機能・目的・成分・強さ・用途・危険性を客観的に述べるとともに、適正対象への使用の重要性と日本護身用品協会が定める対人用催涙スプレー基準を明からにしました。

今回の業界的な問題の根となるのは無知でモラルに欠ける販売業者の横行にあります。これらを放置する限り、人間を守るはずの護身用品が逆に危険な凶器となる可能性は決してなくなりません。今後は日本護身用品協会が日本社会における護身用品の正しい運用推進と誤配備・誤使用による事故を未然に防ぐため、安全基準の策定と業界の監視・指導を徹底して行います。

日本護身用品協会では今後も日本社会の安全と護身用品誤用による事故撲滅のため、熊よけ(ベアー)スプレー誤運用問題の解決に全力で取り組みます。

[重要]悪徳業者(社会正義の無い「危険な団体」)とは

悪徳業者とは、以下の要件全てを満たしていない業者を云います。

  1. 販売時の身分証明書確認
  2. 販売時の購入時誓約事項確認
  3. スタンガンのシリアルナンバー管理
  4. 使用できる性能のある護身用品を正しく表示

「1.販売時の身分証明書確認」ならびに「2.販売時の購入時誓約事項確認」は、護身用品の悪用前提での購入を未然に阻止する目的があり、この対策を行わなければ、悪意を持った購入者を排除する事ができません。強力な非殺傷武器である護身用品は、悪用されれば一般市民が悪用の被害者となる恐れがあり、護身用品の販売における悪用防止対策は最重要課題です。護身用品(スタンガンや催涙スプレーなど)に関する法律が無い事を理由に悪用防止対策を放置する業者・団体は社会正義、倫理感が欠落しており、護身用品を販売する「資格」がありません。

「3.スタンガンのシリアルナンバー管理」は、万一スタンガンが悪用された場合において、警察への捜査協力に必須です。事件に使用されたスタンガンのシリアルナンバーと販売記録を照合し、該当スタンガンの購入者情報を警察へ提供することで、迅速な事件解決に貢献します。

「4.使用できる性能のある護身用品を正しく表示」は、護身用品ユーザーのためのものです。護身用品として使用できる性能を持っているのかを正しく表示して販売しなければ、購入者は身を守る事の出来る本物の護身用品を購入できません。万が一、護身用品として使用できる性能のないオモチャ護身用品を使用できるものと間違えて購入してしまうと、有事の際に護身に失敗します。使用できる性能の正しい表示は、使用するユーザーの生命に関わる重要な項目であり、護身用品販売者としての最低限必須の責任として表示しなければなりません。

 

護身用品の販売において、悪用防止対策は、社会人として最低限のモラル(社会正義)であり責任です。販売時に悪用防止対策を行わず、誰でも売れれば良いという自己中心的で身勝手な販売業者は、護身用品の悪用によって生まれる被害者をなくす社会正義よりも、己の金儲けを優先している身勝手で悪質な悪党です。身分証明書も不要で、匿名でも購入できる護身用品の販売店は悪用犯罪者の御用達となり、犯罪の温床となります。このことから、悪徳業者はまさに悪用犯罪マーケットをターゲットにして商売をしていると云えます。護身用品の悪用によって生まれる被害者を踏みつけにし、のうのうと私腹を肥やすこれらの業者は、心根の腐った恥ずべき悪質業者で社会正義、倫理感の無い危険な団体です。

販売する護身用品が、ユーザーが護身用に使用できる性能を持っているかどうかの正しい表示は、購入するユーザーにとっては命に関わる重大な問題です。護身用品を使用しなければならない危機的状況において、護身用品としての性能がない護身用品を使用する事は、ユーザーの身に甚大な被害が及ぶ事を意味します。この事実を無視し、護身用としての性能のないオモチャ護身用品を、護身用に使えるとウソの説明で無責任に販売しているのが悪質業者です。このような業者は、ユーザーの安全は全く他人事であり、己の金儲けのみしか考えていません。

以上のことから、上記4項を満たしていない業者は社会から排除するべき危険な悪徳業者ですので、これらの業者は利用せず、関わりを持たないように注意してください。